手術当日 EP2 激痛なんて聞いてないよ!

 

それでは前回記事の続きから、両足の鼠径ヘルニアの手術。

 

20:30 手術完了

麻酔が覚めて、おむつ、カテーテル、酸素マスクを装着されて、病室に帰ってくる。術後の準備があるということで、妻は病室から出される。この時間に執刀医から、妻に手術内容の説明。

 

生まれつき腹膜が弱かった可能性がある。左側は想定より腸が酷く下がっていた。今回のタイミングで手術できたので、重症化しなくて良かった。血圧が高めだった。手術の直前185、手術直後155。降圧剤と、痛み止めの点滴を投与。術後直後は、下腹部の痛みは一番強い。と執刀医から説明があったそうだ。

 

21:00 激痛

左足の付け根に激痛。切り刻まれているような感覚の痛み。実際切り刻まれたことはもちろんないが、痛すぎる。いい年をしているが、このような痛みを経験したことはなかった。

 

テレビドラマとかで出産シーンがあるが、あんな雰囲気の痛みとの格闘状態。もちろん、私は男性だが…。

 

ベッドのパイプを握り締めてウーっと、うなってはハァハァ呼吸してまたウーっと、うなるの繰り返し。見かねた妻が、ナースコールで看護師を呼ぶ。

 

看護師看護師

「手術して切ってるんで痛みは仕様がないんですよ~。」

と軽くあしらわれる。

 

手術に失敗したのか?こんなに、激しい痛みなのか?とてもじゃないが、我慢できるような痛みではなかった。なんとかならないものか。

 

一般的にカテーテルを嫌がる人が多いらしく、看護師が気を利かせて

 

看護師看護師

「カテーテルを外してみますか?」


と聞いてくる。

 

私は手術もカテーテルも経験が無いので、下腹部の痛みが何が何だか分からず、とりあえずカテーテルを外してもらった。

 

21:30

少し痛みが和らいだ。痛いことに変わりはないが、のたうちまわって疲れたのか少し眠った。

 

22:40 再び激痛が襲う

またのたうちまわった。先ほどの痛みより、さらにワンランク上の痛みに感じた。妻が再びナースコール。

 

 

今度はウーウーうなるのではなく、ワーワー叫んでいた。

 

看護師に口が渇いてしまうとのことで、湿らせたガーゼを口に突っ込まれる。

 

22:50

あまりに痛がる姿を見かねて、看護師が執刀医に連絡して、痛み止めの点滴の許可もらってくれた。本来は、6時間の間隔が必要な痛み止めの点滴だそうだが、許可をもらったので投与してくれるとのこと。

 

23:05

手足の先にしびれを感じたので、布団をどかして足を動かせる状態にしてもらった。水平になっているのがつらかったので、枕を希望したが、酸素マスク着用時は肺気腫になる危険があるので、本来、枕は使用できないと言われる。代わりにバスタオルを二つ折りにして、枕代わりにした。

 

23:50

ようやく、痛みが治まった。痛みが少し落ち着いたら尿意をもよおしたが、おむつに排尿することに気持ち的に抵抗があり、排尿できず尿瓶をもらう。

 

そ~っと起き上がって、ベットに座る格好で尿瓶に排尿しようとしたが、めまいがして断念してすぐに横になる。やっぱり尿意があるので、また起き上がろとしたが、看護師に注意されてしまった。

 

看護師看護師

「勝手に動いて、傷口が広がったり何かあっても責任持てません!」

 

術後は絶対安静なので、起き上がってはいけないらしい。

 

1:15

尿意を何とか解消したくて、再びカテーテルを挿入してもらう。尿が沢山出てきた。少しスッキリした。この時、ようやく理解できたが、今までの痛みはカテーテルとは関係なかったようだ。私自身、カテーテルは初めてだったが、それほど違和感を感じていないことに、ようやく気付けた。

 

痛みで騒いだり、カテーテルを抜いたり挿したりしてもらったので、どうもたちの悪い患者に、思われてしまったようだった。